漢熟覇王 ネクスト2

 真の漢熟覇王は誰なのか? シール情報だけで終わらない漢熟覇王大戦のすべてを四神ゲンブが明らかにする! 戦士たちの激闘はもちろん、ヒミツのライバル関係まであばいてしまうぞ。衝撃のラストシーンまで『漢熟覇王ネクスト2』を見のがすな!



第6回

頂<いただき>の始皇帝・火碧影妃<かへきえいひ>ユリアVS七曜玉<しちようぎょく>ヨウキヒ・戦菓王<せんかおう>ラハール・幽暗鬼<ゆうあんき>ヴァルバトーゼ戦 漢四宝玉<かんしほうぎょく>統一、漢熟覇王誕生! 万理の頂道<ばんりのちょうどう>大崩壊! 永久覇王に悲劇の新展開!!

いよいよ漢熟覇王大戦もクライマックスじゃ。万理の頂道目指して…いや、我こそは漢熟覇王になるべく、その頂点に集おうとしていた。東・青龍エリアからは七曜玉ヨウキヒ。南・朱雀エリアからは戦菓王ラハール。西・白虎エリアからは漢権四天王の火碧影妃ユリア。そして、北・玄武エリアからは幽暗鬼ヴァルバトーゼ。彼らの手には、それぞれのエリアの王である称号ともいえる漢宝玉<かんほうぎょく>が握られておった。これら全ての漢四方玉を一手に集めた者が漢熟覇王となる。なんでも頂の始皇帝が耳にした話によると、「四方に散らばる漢の宝玉。四宝玉<よんほうぎょく>集い、頂でのみ実現し不老不死。不老不死実現し者こそ永遠なる漢熟覇王。宝玉の持ち主こそ現在の覇王。宝玉のすべてと未来は頂に向かいて動き続ける」とか。どうも風のウワサに聞いたようじゃが、これはウワサでも何でもない。本当のことじゃ。言いふらした張本人も知っておる。ワシの仲間、四神<ししん>スザクじゃ。今はおとなしく朱雀玉<すざくぎょく>の中で知らん顔しとるが、ウロチョロ飛び回って言いふらしておったな。じゃがな、漢熟覇王たる英雄を決め、漢大陸の未来をたくそうと決めたのは、ワシら四神なのじゃ。だからこそ、永遠なるパワーを漢熟覇王に授けようと決めたんじゃ。

自分で言うのもなんじゃが、四神ってのは、漢大陸東西南北それぞれの地に根ざし、司る<つかさどる>偉い存在なんじゃ。ただのおしゃべり好きな亀の仙人ではないんじゃ。漢大陸ではもっとも神に近い存在じゃ。もっとありがたがってこのページも読んでもらいたいものじゃな。…そんなことはどうでもいいとして、漢四方玉を持った漢熟戦士たちが頂に集い、漢熟覇王を決めようとしておる。間違いなく漢大陸の未来は変わろうとしておる。ところがこんな偉い四神のワシにも想像できぬことが起こってしまうんじゃ…。

「漢宝玉持参でよくぞ集まってくれたな。礼を言わせてもらうぞ」
万理の頂点に立ちつくしていた始皇帝は、目を閉ざしたまま言った。この態度にだまっていられないのは、一番熱いハートの持ち主・戦菓王ラハールだ。
「お前、なにエラそうなこと言ってんだよ! オレ様の方が100万倍エラいんだよっ!」
今にも食ってかからんばかりに、ラハールは叫んだ。
その時、始皇帝をガードするべく前に立ちふさがったのは、漢権四天王の火碧影妃ユリアだ。配下であるユリアにとって、始皇帝を守る役目は当然のこと。純然<じゅんぜん>たる漢熟戦士のラハール・ヨウキヒ・ヴァルバトーゼと始皇帝・ユリアの対立構図がハッキリする。ヨウキヒもヴァルバトーゼも、口にはしないがその状況を飲み込んでいた。とはいえ、最終的に漢熟覇王の座はたった一人のものだ。
「漢熟覇王を決めるって言っても、まだ人数が多すぎるな。どんな戦い方で決着をつけるんだよ」
ラハールは戦闘態勢<せんとうたいせい>に入っている。いつでもOKだ。静観<せいかん>するヴァルバトーゼも同じだが、手負いのヨウキヒだけは様子が違う。立っているのがやっとで、戦うことはできないだろう。
ユリアを制し、始皇帝が口を開いた。
「もう勝負はついているんだ。簡単に言えば、漢四方玉を集める手間をはぶいただけだからな…」
「戦ってもいないのに、勝ち負けが決まったなんておかしいぞ! そもそも、お前の手に宝玉はない! 4つ集めてから勝ったって言えよ! 久しぶりの再会で、こっちも腕がウズウズしてるんだからなっ!」
始皇帝に突進しそうな勢いでまくしたてるラハールを、あわててヴァルバトーゼが止める。始皇帝は自らの頂天剣<ちょうてんけん>を高く振り上げた。
「この勝負、私の勝ちだ!」
頂天剣から黒い竜巻が放たれると、あっという間にそれぞれの漢四方玉を吸い寄せてしまった。
「見よ、この頂天剣を! 漢四方玉と同調し我<われ>こそが漢熟覇王となるのだ!」
始皇帝の頂天剣のくぼみにピタリとはまった4つの漢宝玉。4人はわずかな瞬間の出来事が信じられないでいる。
「そんなもん関係あるか! ここからが本当の勝負だ! 覚悟しろ、始皇帝っ!」
ラハールは戦いの火ぶたを切った。憎き因縁の始皇帝めがけ、斬りつけんばかりに駆け寄っていった。
「遙かなる漢大陸の四神よ、今こそ我に力を与えたまえ! この漢熟覇王、この頂の始皇帝に!」
すると、七色の妖気に包まれ、始皇帝は万理の頂道をしのぐほどに巨大化してしまったのだ!
「グルルルルゥッッッ…」
もはや巨大モンスターと化した始皇帝は、うなり声をあげて勝ち残った4人ににらみをきかせていた。
「こ、これが漢熟覇王の最終形? デカいだけじゃんか! 関係ねェ、やってやろうじゃんか! ……ん?」
両目を手でこすってみるラハール。
「め、目の錯覚じゃないよな。本物だよな? 現実だよな?」
近くのヴァルバトーゼとヨウキヒに確認するラハール。
「…と、いうことは、始皇帝との戦いはおあずけってことになるのかな? ま、とりあえず、ここは一旦引き下がったほうがよさそうだな…それも今すぐ、急いで、って感じで…」
と言うと、始皇帝から視線を外し、全速力で万理の頂道を駆け下りていった。
巨大化した頂の始皇帝の背後に、いくつものさらに巨大な銀色の彗星が接近していたのだ!
それもこの万理の頂道めがけて!

漢熟覇王誕生までは、我々四神も望むところであった。しかし、まさか、我々も予知できなかった銀色彗星群の大接近! なんじゃなんじゃ、この先どうなるんじゃ?
初の漢熟覇王となった頂の始皇帝はどうなる?
銀色の巨大彗星の意味は?
そして漢大陸は、漢熟戦士たちはどうなる?


漢熟覇王 第三巻・ネクスト3 につづく